OPUS OF THE YEAR 2015
[特集]2015年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音。ゆきゆきて音楽――2015年もいい作品は山ほどあった!という毎度の感慨と共に素敵な新年を迎えたいものです。でも、まだ安心し……ないでください、ここで紹介する作品を聴かずして、新しい年はやって来ないですよ!

★Pt.1 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 1⇒25
★Pt.3 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 51⇒75
★Pt.4 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 76⇒100
★Pt.5 改めて、2015年ってどうだった? bounce編集部スタッフによる座談会

 


JUST A TOUCH OF 100
bounceの選ぶ2015年の100枚 26⇒50

TUXEDO Tuxedo Stones Throw(2015)

昨今のブギー趣味に乗った80sオマージュ全開の本作が日本で大ヒット。その要因は、DJセットでの来日やフル・バンドを率いての〈サマソニ〉公演にもあるでしょうし、至極メロディアスで絶妙なヘタウマ感にもあるでしょう。 *山西

 

 

ALABAMA SHAKES Sound & Color Rough Trade/HOSTESS(2015)

60~70sのロックをオルタナティヴに、アーシーに、ソウルフルに消化することで、サザン・ロックの〈いま〉を更新し続ける彼ら。その期待値はゴールド・ディスクとなった前作を凌ぐ勢いで、この2作目では全米1位を奪取! *土田

 

 

BLUR The Magic Whip Parlophone/ワーナー(2015)

〈○年ぶりの復活作〉という謳い文句も多く見かけた2015年、とりわけ待望感が大きかったであろう彼らも12年ぶりのオリジナル作を発表。当時の美点を見事にアップデートした内容で、ブリット・ポップ復権の追い風に。 *土田

 

 

JODECI The Past, The Present, The Future Sphinx/Epic/ソニー(2015)

ディアンジェロブラクストンズのアルバムにも驚かされたけど、90年代R&Bの最重要グループである彼らの20年ぶりの帰還はシーンで最大のトピックかと。K-Ciの変わらない激唱が映えまくる濃厚スロウの連続にヤラれた!  *北野

 

 

KAMASI WASHINGTON The Epic Brainfeeder/BEAT(2015)

ケンドリック・ラマー作品などの入口も用意され、2015年のジャズ界隈でより幅広いリスナーの話題をさらったのが、LAシーン注目のサックス奏者による本作。グラスパーブランドン・コールマンの作品と併せて楽しめました。 *北野

 

 

KENDRICK LAMAR To Pimp A Butterfly Top Dawg/Aftermath/Interscope/ユニバーサル(2015)

コンプトンの若き王者の話題作は、ファンクやジャズをリズミカルなフロウでひとつに束ねた、2015年のホットな音をまとめて確認できる一枚に。グラミーの最多ノミネートも当然のこと。 *土田

 

 

OMSB Think Good SUMMIT/Pヴァイン(2015)

人とは違う独創性に富むリズムとフロウでグルーヴした本作はやはり図抜けたマスターピース。何度聴いてもグッとくる表題曲へと誘導される、アルバムとしての流れも見事でした。新年はSIMI LABとしての動きにも期待! *出嶌

 

 

cero Obscure Ride KAKUBARHYTHM(2015)

一定の距離を保ってネオ・ソウルに優しくタッチしたような薄口な甘さ&サイケ感を持つ本作で、みずから作った東京インディーの流行に落とし前をつけた彼ら。現代的なAOR感覚を共有するベニー・シングスとのコラボも話題に。 *山西

 

 

CIARA Jackie Epic/ソニー(2015)

前年に母親となるもフューチャーとは破局した彼女。この6作目は従来通りのアトランタ産らしいブーミーな装いも見せつつ、ハーモニー・サミュエルズを核とする美メロなミディアム~スロウで母の強さを体現した名品に。 *北野

 

 

堂本 剛 TU SHAMANIPPON(2015)

ワイルド・チェリーなジャケも印象的な本盤は、名うてのプレイヤーたちと楽しさを織り上げる様子も好ましかった我流のファンク大作に。うまく時流を咀嚼したようでもあり、ただ好きなことだけをやっただけのようでもあり。 *出嶌

 

 

HIATUS KAIYOTE Choose Your Weapon Flying Buddha/ソニー(2015)

引き続きネオ・ソウルな意匠が重宝されるなか、2014年のグラミー賞ノミネートで弾みをつけた豪州の4人組がさらに広範囲で支持されたのは必然! あえて〈グラスパー以降〉と言いたいコズミック・サイケな音像が病み付きに。 *北野

 

 

JAMES BAY Chaos And The Calm Republic(2014)

3月の発表以来、ずっとUKチャートの上位に居座っていた一枚。エド・シーランからサム・スミスに渡ったバトンを2015年は彼が受け取り、グラミーでも3部門にノミネート。英国産ホワイト・ソウルの勢いは止まらない! *山西

 

 

JAMIE XX In Colour XL/HOSTESS(2015)

XXの頭脳による初ソロ作は、バンドメイトが歌声を乗せた曲にXXの延長を感じさせつつ、ポップカーン参加のラガ・チューンなどで昨今のジャングル人気とも共鳴してみせた一枚だった。全英3位に加え、グラミー候補にも! *北野

 

 

南壽あさ子 Panorama トイズファクトリー(2015)

ある種の過剰さを特性とする女性アクトが増加傾向のなか、透明感のある歌声で引き算の美学を貫くピアノ女子。老若男女、聴き手を選ばないピュアな音楽性は、鈴木惣一朗と始動したESTACIONにも継承されている。 *土田

 

 

SNOOP DOGG Bush Doggystyle/I Am Other/Columbia/ソニー(2015)

下半期はドレー師匠らの西海岸モードにご奉仕する一方、本作を引っ提げた上半期はディスコ~ファンク伝道師として活発に動いたスヌープ犬。ファレルがエレガンスを注入した世界はタイムリーでもあり、タイムレスでもあり。 *出嶌

 

 

A$AP ROCKY At. Long. Last. A$AP A$AP Worldwide/Polo Grounds/RCA/ソニー(2015)

2015年を代表するサイケ盤を語るなら、〈盟友の死〉による胸の痛みをドラッギーなサウンド・コラージュの海に沈めた本作を忘れてはならない。いっそ夢心地と言っていいほどの酩酊感が、悲しみの深さを感じさせる。 *土田

 

 

DALLJUB STEP CLUB We Love You 術ノ穴(2015)

ダブステップやジュークLAビート周辺を人力で表現する〈ロック・バンド〉。凄まじい肉体性で迫るアンサンブル/音響に扇情的なラップを乗せ、文字通り血沸き肉躍る空間を現出させる。各人が別名義でも活躍する驚異の新人。 *土田

 

 

DAYME AROCENA Nueva Era BEAT/Brownswood(2015)

タイプは全然違うけど、ブラウンズウッド発ではホセ・ジェイムズ以来の別格感かもしれないキューバ新時代の才女。年明け早々の『Havana Cultura Mix』に続く本作でもソウルフルな歌の奥行きにグイグイ引き込まれました。 *出嶌

 

 

JAMES TAYLOR Before This World Concord/ユニバーサル(2015)

優しい口当たりのソウル・ポップをジェイムズ・ベイらと繋げてタイムリーに見せることも可能ですが、13年ぶりの本作に余計な付加価値を与えるのは無粋。いつ発表されようがその年の代表作に選ばれるような一枚です。 *山西

 

 

MAJOR LAZER Peace Is The Mission Mad Decent/ワーナー(2015)

オールド・スクールなベース音楽がまた幅を利かせはじめ、ディプロの時代は続行中。ジャックUとは別の角度でパーティー感を煽った本作からも彼の無敵ぶりは窺え、エキゾで超ポップなダンスホールに夢中で踊らされました。 *山西

 

 

WOLF ALICE My Love Is Cool Dirty Hit/HOSTESS(2015)

ブラーミューズらに押され、UKロック界は若手が苦戦した1年でしたが、この4人は見事ブレイク。グランジなヒット群ほか、ハイム風のフォーク・ロックも披露し、流行が終わっても生き残りそうな印象を植え付けましたね。 *山西

 

 

HUDSON MOHAWKE Lantern Warp/BEAT(2015)

カニエ周りの仕事を中心にすっかりプロデュース業が板に付いたハドモー。待望の新作ではミゲルジェネイ・アイコら旬の面々を迎えてR&B趣味にも走りつつ、超ハイファイなビートでメジャーの第一線にて活躍する腕前を強調! *北野

 

 

BOOSIE BADAZZ Touch Down 2 Cause Hell Trill/Atlantic(2015)

出所後初の公式盤が全米3位に! コンシャス系が人気を集めていた最中、この俗っぽい高音ラップは特大インパクトでした。そしてトリルが攻勢に転じるなか、突然のガン報道……でも、今回も苦境に打ち勝つはず! *山西

 

 

THE CHEMICAL BROTHERS Born In The Echoes Freestyle Dust/Virgin EMI/ユニバーサル(2015)

そもそもの意味での〈EDM〉を90年代より鳴らし続け、世界中のフロアを牛耳るデュオもアルバム・デビューから20年。ポップスとしてのダンス・トラックを絶えず提供してきた彼らだが、その強度は本作でも健在だ。 *土田

 

 

I Don't Like Mondays. TOKYO コロムビア(2015 )

奥ゆかしさとは無縁の直球な伊達っぷりは日本のバンドにいそうでいなかったタイプ? それ以上に軽妙洒脱なノリで叩き出されるウィークエンド以上の週末愛好グルーヴに歌い踊らされた。めちゃくちゃ聴いたわ! *出嶌

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