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OPNやアルカと並べて聴きたい、2010年代を生きる僕らのためのサウンドトラック/ベルリン拠点に勢力拡大中のパンとは?

【特集:ポストの先で出会った地下のポップス】Pt.3

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ベルリンを拠点に勢力を拡大しているパンって何だ?

 ウィッチ・ハウスヴェイパーウェイヴ以降の液状化したインターネット荒野を見渡せば、OPNが居を構え、かつてアルカも拠点を置いた、NYを軸とする世界的な相互作用が浮かんでくる。そのなかでいま注目を集めているエリアがベルリンだ。なぜベルリンかと言うと、そこにはパンがあるから。2008年に設立された同レーベルは、インダストリアルドリル/バップ、コールド、ウェイトレス・グライムヘルス・ゴスといったタグを驚くほど速いスピードで次々に消費しては、新たな陳列をプレゼンするミュータントたちの登場を促してきた。

 オーナーのビル・クーリガスはキャバレー・ヴォルテール23スキドゥーへの憧憬を胸に抱きながら、青春時代の多くを過ごしたUKで後にパンの構成員となるリー・ギャンブルヘルムオブジェクトら多くのエクスペリメンタリストと邂逅。そして、ベルリンに戻った後、アルカとの親交も深いM.E.S.H.を発掘したり、OPN主宰のソフトウェアやホーリー・ハーンドンを擁するRVNGと蜜月関係を築き上げたりしながら、文頭にも書いた〈ウィッチ・ハウスやヴェイパーウェイヴ以降〉の動きと同調してきた。日本でも昨年よりmelting botがライセンス・リリースを開始し、今年はレーベル・ショウケース的なイヴェントも実現(この11月にはヴィジョニストのレコ発パーティーが東京で開催されたばかり)。今後はTCFのアルバムも控えているとのことで、この集団を追っていればハイプとストイシズムのスリリングな実験パノラマが見られるはずだ。 *ヌーディーマン

 

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