DISCOGRAPHIC
ジョニー・ウィンターを知るための9枚

名ブルース・ギタリストを多数輩出したテキサス出身の誇りが強く感じられるメジャー・デビュー作。BB・キング流儀のモダン・ブルースから泥臭いデルタ・ブルースまでを自在にこなし、エレクトリック&アコースティック・ギターの腕前を遺憾なく発揮してみせた。

 

あまりにもストレートなブルース・アルバムとなった『Johnny Winter』がセールス的には思ったほど振わず、そこで本作ではロックンロールな側面を強調し、ボブ・ディランのカヴァーなども披露。前作以上に弟エドガーのキーボード&ホーンが大活躍している。

 

リック・デリンジャー率いるマッコイズを従え、歯切れの良いリズム・チェンジが効果的な“Rock And Roll, Hoochie Koo”など、よりポップにロック化した一枚。ブルース志向のジョニーとハード・ドライヴ志向のリックが熱いギター・バトルを繰り広げ、聴き手を圧倒する。

 

JOHNNY WINTER Saints & Sinners Columbia(1974)

リックやエドガーら馴染みの面々と作ったこのアルバムは、ハード・ロックやカントリー、ファンキーなソウル・テイストも巧みにブレンドし、独自の音世界を創造してみせた快作に。キャリア中でも聴きやすさ、楽曲のヴァラエティーは群を抜いている。

 

JOHNNY WINTER Raisin’ Cain Blue Sky/Columbia(1980)

ボビー・トレロ(ドラムス)、ジョン・パリス(ベース)との3ピースを基本にダン・ハートマンらも曲によって参加したブルー・スカイからの最終作。グッとハード・ロックに寄っていて、とりわけボブ・ディラン“Like A Rolling Stone”のカヴァーがすこぶるカッコイイ!

 

冒頭からスライド全開の移籍作。ビリー・ブランチやケイシー・ジョーンズらシカゴの腕利きが助力し、思う存分ブルース・シンガー&ギタリストぶりを見せつけている。グラミーに初ノミネートされた本作からのアリゲーター3部作を、ジョニーの代表盤に挙げるファンは多い。

 

エレキとアコギを使い分けながら艶やかな音色を紡いでいく主役の演奏に圧巻。ソロ・パートに比重を置き、テクニカルな速弾きを連発するアルバムは、キャリア中期~後期では本作だけだ。ゲストのドクター・ジョンが好プレイを連発していることも付け加えておこう。

 

キモは円熟味たっぷりの渋いヴォーカル。還暦を迎えて声量が落ちたぶん、ブルースへの愛や音楽を演奏する喜びがジワジワと伝わってくる。ミディアム~スロウテンポ中心で、パワフルなブルース・ロックを鳴らすジョニーしか知らないリスナーは驚くことだろう。

 

JOHNNY WINTER Roots Megaforce(2011)

タグ カヴァー

ロバート・ ジョンソンやチャック・ベリー曲などを取り上げたカヴァー集で、デレク・トラックス、ウォーレン・ヘインズ、ソニー・ランドレスらジョニーを慕う後輩が多数参加。そのゲストに刺激されたか、前作とは打って変わって若々しい歌声を披露しているのが印象的だ。