ROLLIN’ AND TUMBLIN’
エレクトリック・ブルースはいまも進化しながら鳴り続けている!
ジョニー・ウィンターの活躍により、ロックとクロスオーヴァーしたエレクトリック・ブルースが一気に市民権を獲得。それをスティーヴィー・レイ・ヴォーンが継承したわけだが、ややもすると、〈80年代半ば以降さほど進化せず、いまとなってはオッサンたちが楽しむための音楽って感じだろ?〉なんて思われがちかもしれない。しかし、だ。ブルース・ロックって本当に熱くなれる音楽だし、その影響は現在も至るところで見受けられると、声を大にして言っておこう。
90年代にはジョン・スペンサーが、かの音楽の持つワイルドで生々しい部分を抽出。その流れをブラック・キーズやジャック・ホワイトが受け、いままさにメインストリームを闊歩している例を出せばわかりやすいか。また、そうした感覚はベンジャミン・ブッカーやアール・グレイハウンド、ジャクソン・ファイヤーバードなどからも感じ取れるし、UKに目を移してみても22-20sの存在は無視できない。
さらに、ヘヴィの演奏にはバンド名通り重たくて粘っこいブルースの要素が詰め込まれ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのブラッド・ウィルクによる新バンド=ラスト・インターナショナルも、ブルースと70sロックを合わせたような音楽性で話題を集めている。いずれもブルース・ロックを聴きやすくコーティングするのではなく、ブルースの熱い核をしっかり持ちながらアップデートしている点が頼もしい。つまりは、ここに名前が挙がったアーティストのファンならジョニー・ウィンター作品を、往年のジョニー・ファンなら本コラムの関連盤をぜひチェックしてみてほしい、ということ。
▼関連作品
左から、ブラック・キーズの2014年作『Turn Blue』(Nonesuch)、ベンジャミン・ブッカーのニュー・アルバム『Benjamin Booker』(Rough Trade/HOSTESS)、22-20sの2012年作『Got It If You Want It』(22-20s)、へヴィの2012年作『The Glorious Dead』(Counter)、ラスト・インターナショナルのニュー・アルバム『We Will Reign』(Epic/ソニー)
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