その昔、四ツ谷でジャズ喫茶『イーグル』に行き、そこでかかるレコードを聴きながら、勝手に自分でブラインドフォールド・テストをして過ごした思い出がある。「今のピアノはバド・パウエルかな?」みたいな。本著はスイング・ジャーナル誌で84年から20年近く続いた人気連載“アイ・ラヴ・ジャズ・テスト”の傑作選集である。小川隆夫氏が編集部にミュージシャンを招き(時には出向き)、ブラインドフォールド・テストをして、その時聴いたミュージシャンや音楽についてコメントしてもらうというもの。リスペクト、本音トーク、そして何よりもジャズへの愛が満載でどれも興味深い。