キューバのジャズ音楽家の最前線をキューバとニューヨークの内部に潜り込んでドキュメントしたことで昨年、話題となった本作がDVDとなってリリース。見直すと、見聞きする者を何とも言えない内省に導く全体のプロットの妙に気がつく。蝋燭の灯りが揺れる祭壇とNY街の夜の灯、ガレージでのリハーサルと高層マンションの一室でのリハーサル、ボロボロのアップライトが奏でる《ムーン・リヴァー》、とダウンタウンのライヴハウスに炸裂するネオ・ジャズ。キューバに留まったセザール・ロペスとニューヨークにたどり着いたアクセル・トスカ。様々な被写体の差異がマッシュアップされ、キューバとジャズのイマージュが完成する。