昨年に愛息を亡くしたニックが、そのことを他人から訊かれるくらいなら……と、この新作で現在の心境を告白。重く沈んだヴィオラやノイズをバックに淡々とした語り口調で歌われるビートレスの冒頭曲ほか、白黒の音世界に胸が締め付けられます。悲嘆に暮れながら、それでも人生は続くんだと自身に言い聞かせる電気ブルースの数々――きっとそれは傷を抱える多くの人々にとっても、明日への光となるはずです。