オーストラリアの奇才、ニック・ケイヴ率いるヴェテラン・バンドの新作は、前々作から続く3部作の最終章にして2部構成となる大作。テーマは息子やバンド・メンバーの死。静謐なシンセサイザーをバックにストリングスやコーラスが溶け込み、時に鎮魂の鐘を思わせるような音色が鳴り響く。憂いのある歌声は悲しみを乗り越えた荘厳なレクイエムとなり、胸の奥底に深い感動を与えてくれるはずだ。