T・レックスがやっと〈ロックの殿堂〉入りしたタイミングで、4月に逝去したハル・ウィルナー監修のトリビュート盤が登場。彼が数年かけて進行していたというだけあって、一面的な豪華さとはまた違うシブい内容だ。明快に派手なノリなのはケシャ“Children Of The Revolution”など数えるほどで、選曲もグレイテスト・ヒッツ的ではない。デヴェンドラ・バンハートの“Scenescof”やジェシー・ハリスの“Great Horse”などティラノザウルス・レックス時代の曲が多いのも特徴的だ。ニック・ケイヴ、ファーザー・ジョン・ミスティ、トッド・ラングレン、U2とエルトン・ジョン、ショーン・レノン、ジュリアン・レノンらの名が並び、ベス・オートンがマークのソロ“Hippy Gumbo”を選ぶのもツボ……とか思える人は楽しめるはずの2枚組26曲。