アルバムデビュー20周年作品『Art for Life』から3年。総勢22名の国内外の豪華アーティストを迎えて制作された『NOTHIN’ BUT JAZZ』。

──『NOTHIN’ BUT JAZZ』のコンセプトについては?

 「私はあらゆるジャンルのエッセンスを取り入れた音楽を追求しています。前作『Art for Life』はジャズだけでなく、日本伝統の音、R&B、ブラジル音楽など幅広いスタイルを楽しめる作品。2009年の『RHYTHMATRIX』は無数のトラックを使って、音響のディテールにこだわった作品でした。今回の『NOTHIN’ BUT JAZZ』では生の人間の営みを表現したかった。ジャズの躍動感、ドライブ感に徹底的にこだわった作品を作りたいと考えました。通常は、曲とアレンジはきっちり作るケースが多いのですが、今回はその場でアレンジしていくものも多かった。ライヴ感覚を伝えるために、決めないことは徹底的に決めない、自らが楽しむことで、感じたものをストレートに表現できました」

クリヤ・マコト・オールスターズ NOTHIN’ BUT JAZZ Columbia(2014)

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──クラブ・ジャズ・シーンで注目を集め続けているミュージシャンが参加していますね。ニュー・ジェネレーションとの化学反応はありましたか?

 「今回イヴェントなどで出会った若いミュージシャンにも参加していただきました。quasimodeのmatzz、SOIL&“PIMP”SESSIONSの元晴とタブゾンビなど若いミュージシャンの感性にも刺激を受けました。私のディテールに関するこだわり、曲やアレンジの狙いも理解頂いた上で、若いアーティストの感性も積極的に取り入れました」

──菊地成孔そしてスノーボーイについてお話いただけますか?

 「パーカッション奏者として、そしてサウンド・クリエイターとしてクラブ・シーンでも支持されているスノーボーイ。日本を始め世界中のアンダーグランドで活躍する素晴らしい才能をもったミュージシャンとも交流があり、常に時代を牽引するミュージシャン。菊地成孔はトリップ・ホップ、ラップなども取り入れたりと、スタイルは違うが音楽に対するリベラルな感覚は共通するものを感じる同世代のミュージシャン。自身の3つのユニットに新旧の実力派のゲストの参加が見事に融合したジャズの作品が完成しました」

 クリヤ・マコトならではの多彩な表情をもつジャズ、楽曲のカッコよさがよりストレートに伝わるこの作品では、今まで以上に多くの音楽ファンにジャズの魅力を伝えるだろう。秋頃にはツアーも予定されており、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみでならない。