インタビュー

クリヤ・マコト、納浩一、則竹裕之『アコースティック・ウェザー・リポート2』 ウェザー・リポートの音楽をピアノ・トリオで再構築!

左から、納浩一、クリヤ・マコト、則竹裕之 ©Koichi Morishima

ウェザー・リポートの音楽をピアノ・トリオで再構築。そこから生まれる新たな音楽とは

 思えば、クリヤ・マコト(p)、納浩一(b)、則竹裕之(ds)の3人が結成したピアノ・トリオ、通称“アコースティック・ウェザー・リポート”(以下AWR)のデビューは強烈だった。1970~80年代の音楽シーンを席捲した超人気バンド、ウェザー・リポート(以下WR)の音楽をピアノ・トリオで再構築するという奇想天外な発想のもとにスタートしたAWR。その原点と2nd作について、ピアニストのクリヤとベーシストの納のふたりに話を聞いた。

クリヤ・マコト,納浩一,則竹裕之 アコースティック・ウェザー・リポート2 ソニー(2019)

 「AWRのアイディアはずっと以前からあったんです。きっかけは、自宅でWRの《ヤング・アンド・ファイン》をピアノで弾いていた時のこと。オリジナルとは違う美しさが浮かび上がったんです。これはピアノ・トリオに合うなと。ただ、いかんせんWRの音楽はあまりに複雑で、ただカヴァーするというやり方では成立しません。その後、彼らの曲をピアノで弾き進めるうちに、徐々に形が見えてきました」(クリヤ)「当初は、アルバムを出すなんてことは夢にも思いませんでした。ただ、面白そうだからやってみようと。これまで誰もやってこなかった試みですからね。リハーサルやライヴを重ねて作り上げたのが前作だったのですが、その時点で2nd作を想定していませんでした。ですので有名曲は1stでほぼほぼやってしまっています(笑)。今回の2nd作は、《ブラック・マーケット》以外はWRの隠れ名曲へのチャレンジ。少し枠を広げてジャコ・パストリアスの演奏で有名な《ドナ・リー》にも僕の新アレンジで挑んでいます」(納) 「WRの音楽は多重構造なうえに楽器の数も多い。それをピアノ・トリオで演奏するには、曲のエッセンスを抜き出さなければなりません。ライヴを重ねながら取り出していったたコアな部分を僕たちなりに膨らませたのがAWRの音楽なんです」(クリヤ)

 幾多のプロセスを経て辿り着くことのできたAWRの2ndアルバム。それをレコーディングする際に彼らが選んだ方法は前作同様の無編集DSD録音。編集のきかない一発勝負だ。

 「DSDは、録り直しができないというリスクも伴いますが、音は本当にすごいです。今回は機材も少しアップデートされ、前作以上のサウンド。僕のベースの生音がそのまま出てきます」(納)「WRは数多くの楽器を駆使した多重録音。AWRはピアノ・トリオによる一発録り。すべてが真逆なわけです。不自由なこと、足らないと思うことも多い。でも、だからこそ面白いんです。制約や不足があると何とかしようとする。そして新しい何かが生まれる。それは、僕らの演奏だけに限らずどんなことでもね」(クリヤ)

 


LIVE INFORMATION

ACOUSTIC WHEATHER REPORT~アコースティック・ウェザー・リポート by クリヤ・マコト(pf)、納浩一(b)、則竹裕之(ds)
○12月10日(火)Live & Cafe' マムゼル(静岡県袋井市)
○12月11日(水)STAR☆EYES(愛知県名古屋市)
○12月12日(木)TAKE FIVE(大阪府吹田市)
www.makotokuriya.com/AWRtour.html

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