前作リリース後はジェシー・ランザジュニア・ボーイズのアルバムにエンジニアとして名を連ね、エルヴィス1990とのコラボ・プロジェクトであるリミットを立ち上げ……と創作ペースを加速させてきたデヴィッド・スッカがさらにアクセルを踏み込んで、本命エジプトリックス名義の4作目を投下。水流や雨音、バイク・レースのエンジン音に木管など過去作には決して登場させてこなかった〈外の音〉を、別名義のセラミックTL作品でも鳴らされていた鉄分多めなパワー・アンビエントの〈フィクショナルな音〉へと流し込み、互いの輪郭を引き立て合うユーでもディスでもない新しいトピアへと没入してゆく本作。消え入りそうなロボ声でセンチメンタル・ゴス・ジャーニーを彷徨う表題曲の寛容性なんかは過去作を追ってきたリスナーには琴線不意打ち必至で、ミュータントの亡骸越しに眺める絶景が眼前に。このまま怪進撃を続けることを確信するハードコア・ミュジーク・コンクレート!