ヒアワザアナマイのメンバーとしても精力的に活動を続けるカナダの鬼才、デヴィッド・スッカエジプトリックスとしての3作目はナイト・スラッグスを離れ、自身が立ち上げた新興レーベルからのリリースとなった。空間美術系の小品に見せかけて序盤で抜きまくったキックを終盤でいかに早く連射できるかフリークアウトする表題曲や、鋭利に飛び散るハットに直球テクノでガシガシ突き上げてハメ倒した挙句に漆黒の宇宙へ突如スポーンと放り出す終曲——インダストリアルアシッドを混ぜ込んでキンキンに冷やした〈ゴス〉で〈鉄〉なベース・ミュージックをやらせたら、この人がやっぱ現役最強ですわ。リッチー・ホウティンアルカをハイプなしで繋げられるこのハードコアな空気は、いま吸っとくべき!