OPUS OF THE YEAR 2015
[特集]2015年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音。ゆきゆきて音楽――2015年もいい作品は山ほどあった!という毎度の感慨と共に素敵な新年を迎えたいものです。でも、まだ安心し……ないでください、ここで紹介する作品を聴かずして、新しい年はやって来ないですよ!
★Pt.1 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 1⇒25
★Pt.2 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 26⇒50
★Pt.3 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 51⇒75
★Pt.4 【ディスクガイド】bounceの選ぶ2015年の100枚 76⇒100
★Pt.5 改めて、2015年ってどうだった? bounce編集部スタッフによる座談会
★Pt.6 結婚、脱退、再結成、解散、訃報……2015年の音楽ニュース総まとめ!
★Pt.7 座談会からこぼれた2015年のトピックをより詳細に解説!
★Pt.8 リサイクル、リイシュー、コラボ、遺作などカテゴリー別に重要作を紹介!
★Pt.9 bounceライター陣28人の選ぶ2015年の〈+1枚〉
ANY LAST WERDZ
bounceスタッフの選ぶ年間太鼓盤10枚
◆土田真弓
平常運転の2015年!
101. DJANGO DJANGO 『Born Under Saturn』(Because)
102. EGYPTRIXX 『Transfer Of Energy(Feelings Of Power)』(Halocline Trance)
103. GHOST CULTURE 『Ghost Culture』(Phantasy Sound/Because)
104. GOATBED 『The optimist sees the doughnut, the pessimist sees the hole.』(GEORIDE)
105. HELENA HAUFF 『Discreet Desires』(Werkdiscs/Ninja Tune)
106. 入江陽 『仕事』(Pヴァイン)
107. JME 『Integrity』(Boy Better Know)
108. MODEL500 『Digital Solutions』(Metroplex)
109. ツチヤニボンド 『3』(AnalogPants)
110. YOLZ IN THE SKY 『HOTEL』(felicity/Bayon production)
2015年は何を聴いてたかな~と振り返ってみると、編集部全体の100枚の並びと同じくヒップホップ作品が例年より多かった感じです。なので、ここではその方向は外した〈+10枚〉を紹介しようかと。ただ、好きなものというのはまあ変わらないもので、傾向は昨年のコピペでもOKなぐらいにほぼ同じです。掲載はアルファベット順。クラウトロック~ニューウェイヴ~ポスト・パンク~テクノの流れにあるものと異形の歌モノ、あと、作者が変わり者っぽい(失礼)音楽に惹かれるようです。来年もこういう企画があるとしたら、また似たようなことを書いていそうな気がしますね。ちなみに、JMEの『Integrity』は音も良いのですが、それ以上に、ヴィジュアルに一発で射抜かれた2015年のジャケット大賞です。眺めているとなんだか優しい気持ちになるのはなぜでしょうか。
で、これを書いている現在は、2016年以降リリースの音源もちらほら聴かせてもらっているのですが、METAFIVE、SCHAFT、agraph……と、新年から超弩級の良作が控えていて嬉しい限り。2016年も楽しい音楽生活を過ごせそうです。
◆山西絵美
気軽な作品がフィットした2015年!
101. O.B.F 『Wild』(Dubquake)
102. LITTLE MIX 『Get Weird』(Syco/Columbia)
103. WISIN 『Los Vaqueros: La Trilogia』(Sony Latin)
104. JACK U 『Skrillex And Diplo Present Jack U』(Mad Decent/OWSLA/Big Beat)
105. ARIEL PINK 『Pom Pom』(4AD)
106. RUDIMENTAL 『We The Generation』(Asylum UK)
107. RAE SREMMURD 『SremmLife』(EarDrumma/Interscope)
108. JAMIE FOXX 『Hollywood: A Story Of A Dozen Roses』(RCA)
109. THE VAMPS 『Wake Up』(Virgin EMI)
110. VARIOUS ARTISTS 『We Love Disney』(Verve)
コンセプトがカッチリあって芸術点の高いアルバムや、一定のトーンで進行していく作品よりも、この1年はさまざまなタイプの曲がゴチャゴチャ入っていて、気軽に聴けるものを好んだ傾向にありました。リリックに関しても、愛だの恋だのパーティーだの、お尻がどうとか、メイク・マネーだとか、俺自慢だとか、空っぽ系を支持。それは〈カニエ以降〉な風潮に飽きてきたのもあると思いますし、仕事から離れて音楽を楽しむシチュエーション(風呂場や助手席など)にも関係しているかと思います。
以上を踏まえて……というわけでもないんですが、ここでは100枚の続きを選んでみました。つまみ喰いしたラテン・アーバンは、ウィシンだけじゃなく軒並み大当たり。111枚目にピックアップしているクリス・ブラウン&タイガのラフな感じも自分の気分にピッタリはまり、アルバム前のアーティストでは一発屋の匂いも込みでガリー・バップにガンフィンガー。何となくどの作品も1~2年後には棚の隅で埃をかぶっていそうな気配ですが、日頃から〈消費期限の短いポップスっておもしろい!〉と感じているので、2016年もこのスタンスでいろいろ聴き散らかしていきたいです。
◆北野 創
音楽に傷心を癒された2015年!
1. メロキュア 『メロディック・スーパー・ハード・キュア』(コロムビア)
2. RHYME BOYA 『FLOWMOTION』(DLIP)
3. ORESAMA 『oresama』(PUMP!)
4. i☆Ris 『We are i☆Ris!!!』(DIVEIIentertainment)
5. Miii 『AN INVISIBLE STORYTELLER』(Faded Audio/Pヴァイン)
6. BiSH 『Brand-new idol SHiT』(SUB TRAX)
7. Theタイマンチーズ 『少年』(Party Gun Paul)
8. 城南海 『尊々加那志~トウトガナシ~』(ポニーキャニオン)
9. RYKEY 『AMON KATONA』(Pヴァイン)
10. Faint★Star 『PL4E』(Faint Star Tokyo)
2015年はかつてないほどプライヴェートでの余裕がなく、何だか何もできないまま過ぎ去ってしまったような気分ですが、そんななかでも音楽には救われることが多く……。ここでピックアップしたのは、改めて並べると本当にとりとめのないラインナップですが、思わず「ウオォーッ!」となって踊り出したり、しみじみと聴き入ってしまったり、聴いたシチュエーションもそれを受けてのリアクションもバラバラなれどとにかく心を動かされた、極私的だけどオススメの10枚です。ただ、こうして眺めてみると何となく歌心を感じさせる作品が多いのは自分でも意外。歌を求めて心が叫びたがってるのかもしれません。
あと、個人的にはコンパクトに楽しめるシングル作品が大好きでして、そのなかではMISIA“オルフェンズの涙”、lol“fire!”、早見沙織“やさしい希望”、elfin'“Colorful Fantasy”が良かったです。アニメ「ローリング☆ガールズ」のキャストから成るTHE ROLLING GIRLSが歌ったTHE BLUE HEARTS“人にやさしく”のカヴァーにも何度となく励まされました。ということで2016年は、そこに参加していた声優の種田梨沙が歌手デビューすることを(勝手に)期待しています!
◆出嶌孝次
またしても豊作すぎた2015年!
1. GLASSES MALONE 『#GH2: Life Ain't Nuthin But...』(Division Music Company/Empire)
2. SCARFACE 『Deeply Rooted』(Let's Talk)
3. MAC MALL 『Legal Business』(Thizzlamic)
4. MISTER D 『Still In The Game』(Southland)
5. WINFREE 『Past, Present & Future』(Fonkfatherz)
6. DA MAFIA 6IX 『Watch What U Wish...』(Scale-A-Ton)
6. PROJECT PAT 『Mista Don't Play 2: Everythangs Money』(eOne)
6. DJ PAUL 『Master Of Evil』(Psychopathic/Scale-A-Ton)
9. TRAE THA TRUTH 『Tha Truth』(Grand Hustle/Empire)
10. FUNKADELIC 『First You Gotta Shake The Gate』(The C Kunspyruhzy)
(まもなく建物が電気工事で停電するので……)昨年と同じことを書いておきますが、いろんなものが存在していて、各々が本当に好きなものを聴いたり語ったりしてるのが理想であって、2016年も理想的な感じにいろいろ聴いていきたいと思います!