全英1位に輝いたジェス・グリンとの“Not Letting Go”、そしてザラ・ラーソンとの“Girls Like”という大粒のヒットを満載した4年ぶり3作目。そんな高打率ぶりは毎度の派手な前哨戦だとして、ミックステープ『Junk Food』(2015年)で絡んだナナ・ローグスを核に制作陣を一新した今作の充実はその範疇に留まるものではない。ティナーシェと2ステップ調で迫る“Text From Your Ex”があれば、ルーツに根差したグライムやアフロ・ポップもあり、ドレイクがトレンド化したUK由来の作法を本場の側から上塗りするかのよう。ウィズキッドやバグジー・マローン、〈New Gen〉のティグス・ダ・オーサー、シフトK3Y(チャス・ジャンケルの息子)ら注目株を配しつつ全方位型の対応力をナチュラルに示した力作。良いです。