“ラグタイム”と聞いて真っ先に浮かぶのは「ジ・エンターテイナー」や「メープルリーフ・ラグ」等のスコット・ジョプリン作品かもしれないが、おそらくその認識は近いうちに覆ることになるだろう。ジャズとクラシックを融合させ独自の境地を切り開く作曲家:ウィリアム・ボルコムがいるからだ。彼の代表曲《ゴースト・ラグ》含む9作品を収めた最新ラグタイム作品集が登場。ジョプリンのようなゆったりとした聴きやすい作品があるかと思えば、クラスタートーンがいきなり飛び出したり熱烈なピアニズムが繰り広げられる。さすがはボルコム、一筋縄ではいかないラグタイム新時代の始まりだ。