2014年の初作でシューゲイザー好きから熱い注目を集めたUKの4人組による2作目……なのだが、〈別の連中?〉と勘違いしそうなほどの変化を遂げている。重層的なリズムが織り成すグルーヴィーな昂揚感。ファルセットを多用した艶めくヴォーカルと、そこに絡む甘美なコーラス――カーティス・メイフィールドやアイズレー・ブラザーズら70sソウルを吸収したようなサウンドが披露されているのだ。とはいえ本格派のブルーアイド・ソウルと呼ぶほど求道者然とした雰囲気はなく、アーバン・メロウでありながら英国のギター・ロック的な青臭さや、ガイデッド・バイ・ヴォイセズを思わせるローファイ感覚が噴出した曲も多い。70sソウルへの憧憬をスパークさせつつも、イミテーションに堕することを良しとしない独自の〈R&B〉……と言ったら褒めすぎか。いずれにせよ、自分たちの好きな音楽をどこか飄々としたスタンスで自在に出入力できる、おもしろいバンドに化けたことは間違いない。