リアル・ワールドからリリースを重ねてきたロンドンに住むジャズ・クァルテットの移籍第1弾。モダン・クラシカル的な美意識を感じさせる叙情性たっぷりのメロディーと、少ない手数で複雑に展開していくドラムス──ゴー・ゴー・ペンギンやママル・ハンズのブレイクで波に乗るゴンドワナとの邂逅は必然だった、と即座に思える内容だ。シネマティック・オーケストラ好きももちろん必聴!

 


ロンドンをベースに活躍するジャズ・カルテット。特徴的なハングドラムとスピリチュアルなサックス、そしてドラマーが操るパッドなどエレクトリックとアコースティックの挟間を往来しながらも完全に未来を見ていた。ゴーゴー・ペンギンなどゴンドワナ勢の音を聴くとシネマティックオーケストラや彼らを思い起こすのだが、ニンジャ・チューン発の前作より2年ぶりの新作は何とゴンドワナから。で、驚きなのがそのゴンドワナ的手触りをトレースするのではなく、エレクロニクス感もアンビエンスも倍増させた上で人力⇔非人力、録音⇔生の境界を完全に超越している点、その壮大なスケールに圧倒される。