21世紀を迎え十数年がたった現代。大量生産され大量消費されているのは物質の話だけではなく、アート・エンタテインメントも、である。そんな時代に生き音楽に触れていては、嫌でも“音楽の〈再帰的モダニティ〉”を患わせてしまう。そんな風に考えてしまうのは何も僕だけではないはずだ。本書はそんな僕たちのための特効薬。歴史の中で音楽に起こった現象や実験をまとめ多面的に考察する。技術・思想・社会の発展から音楽の背景・用途まで目を向けた多角性は随一。音楽のあるべき姿を断ずるものではないが、音楽を愛し音楽を憂う諸兄の為の道標。こんな解説書を待っていたのではないだろうか?