新進バリトンによるイタリア歌曲集。現地で知られざる作品について収集、研究を重ねられたとのことでこれが集大成的なアルバムになっています。まずはあのマエストロ、トスカニーニの作品から。優しい質感のメロディが柔らかい歌声に良く合います。続くマリアーニは録音自体が珍しいのですが、魅力的な曲ばかりで、中でも“月に寄せて”はロマンティック且つドラマティックな部分も併せ持った美しい作品。その他ドナウディ、トスティも収録。粒の揃った名曲を丁寧に歌い上げています。最後に「ドン・カルロ」“ロドリーゴの死”でこのヴェルディゆかりのアルバムのフィナーレになります。