ニューナンバー2やフィストフル・オブ・マーシーの一員として活動する傍ら、父ジョージ・ハリスンのトリビュート・ライヴを企画(後に音盤化)し、アンクルの最新作など客演仕事にも積極的なダーニが、キャリア初のソロ・アルバムを発表した。古のサイケ・ロックとエレクトロを融合させた“#WarOnFalse”は、ケミカル・ブラザーズによるビートルズ再解釈“Setting Sun”のアップデート版とも言えそうだし、メレキやウー・ハー・ハーのカミラ・グレイといった才媛とのデュエットだって話題性十分。長尺曲がやや目立つものの、キャッチーな歌メロが軸にあるので案外スルスル聴けてしまうのもミソ。また、全編に漂うトリップ・ホップ的な気怠い異国情緒は流石ロンドンっ子だ。昨年に離婚したこともミュージシャンとしてはプラスに作用している模様で、歌、リリック、ギター、どれを取っても表現がエモーショナルに深化。ラストで堰を切ったように溢れる哀愁のギター・ソロに泣きました。