アメリカーナの女王、ルシンダ。1992年に発表した初期の名盤『Sweet Old World』から25年の節目に全曲再録音、ボーナストラックを追加、ゲストを迎えず、ここ10年のサウンドを支えるレギュラーバンドのみの最小編制で再演した。オリジナルでの凛とした歌声やアレンジの豊穣さは今尚鮮やかだが25年を経た彼女はどうだろう? 歌声は滋味を帯びブルースが増し、抑制の効いた演奏がその説得力を引き立て、一つの到達点を魅せる。新たに添えた“This”が意味するところは果たして、辿り着いたこの場所、そしてやり方は変われど、芯は変わらぬこの歌。是非、聴き比べて欲しい。