ECM的な音場とフレージングでフォー・ビート・ファン、オーディオファイルにも支持の高い彼も本年8月で74歳。『Cantando』(2008年)、『Indicum』(2012年)に続く同一メンバーでの3枚目になる。選曲に捻りが加わった本作は、いかにもECM的なバルトークもそうだが、サティが違和感なく加えられ、何より音楽ファンにアピールしそうなのが冒頭のキューバのシルヴィオ・ロドリゲスの一曲だ。このトリオでのボボは比較的大人しい。それがこの選曲で生きている。もちろんメンバー自身の作品でもそれは言うまでもない。ピアノ・トリオでありながら完成されたユニットとして音楽を奏でるハイクオリティな演奏だ。