NYの鬼才ギタリストが率いる最狂トリオの新作は、バンド史上もっともフリーキーでパンクで笑っちゃうほどの破壊力を持った仕上がりに。真面目なのか不真面目なのか、ハードコアとジャズとオルタナとラテンとファンクとノーウェイヴとブラジルとアヴァンギャルドとインドとガレージが混然とした、〈なんじゃこりゃ?〉な歪みまくりの大暴投変化球ナンバーをズラリと並べていて、マジでブッ飛んでます!

 


マーク・リボーはその出自はジャズながら、ラウンジ・リザーズに加入以降ジャズにおけるパンクの象徴として他の追随を許さない。偽キューバ人たちやヤング・フィラデルフィアンズでのフェイクによる前衛、あるいはリズ・ライトなどの作品への参加で尖った職人像が際立つ近年の活動の中でセラミック・ドッグはそのパンクス面を最も強く表しているが、3作目のリリースによって中心プロジェクトとしての存在感を増した、喜ばしい事である。〈何故まだここにいる?〉という問い掛けは全編に亘りササクレ立った演奏によってなされ、現代アメリカが抱える問題への苛立ちをストレートに吐き出している。