何年か前に音楽が急につまらなくなった時期がありました。
何を聴いてもそこそこ良い。
だけど、つまらない。

それでもそんなはずはないと次々追いかけ続けるのですが、変わらず。
原因は急速に増えた量でした。
ちょうどPCと連携して音楽データを持ち出せる量が格段に増えた頃。

ジョギング&リスニング、好きなだけ好きな場所で聴く事が出来る。
はじめは最高だと感じていました。
ビートにのって心拍数が上がったり、指鳴らしたり。

その頃はよくCDをデータにして街中や川沿いをイヤホンで。
ですが、便利さと手軽さは僕から音楽本来の魅力を奪っていたのです。

そんな中である時に英国製の古いアンプを手に入れました。
それまでのオーディオが壊れたので、オークションで安く特に強い理由もなくたまたま。

ターンテーブルやCDプレイヤーを繋げて、再生ボタンをポチッとな・・・
ぶっ飛び、良い、何じゃいこりゃぁ。
最高。
今まで何度も聴いていた何て事ないはずの音楽が凄く新鮮に感じるし、とにかく気持ちが良い。

良い音を体で浴びる、聴く素晴らしさ。

シンプルな話だった訳です、結局。

音楽は空気の振動を体で感じて踊ったり、リラックスしたりする原始的なもの。

情報として「知っている」。
それで終了して良いものでは絶対にないと思います。

時として情報を利用する事は可能性も広がるし全く問題ないと思います。
今でもインターネット、ラジオ、様々な場所から情報として知る事はたくさんあります。
自分だけでは出会えなかった音楽をそういうものから得られる事はありがたい事です。

先日GLIM SPANKYの武道館ライブに遊びに行かせて頂きました。
ライブ自体はシンプルにライブハウスでやって来た経験を見せてくれる抜けの良さでとても好感が持てました。
あらためてどうもありがとうございました。

そういう生演奏や生の人間を直接感じたり、良い音のクラブで踊ったり、
明け方に森林浴My Bloody Valentineをしたり。
僕はそういう風に音楽を感じたり浴びていたいな。

という事を思っていたりします。

Mission Cyrus 1 and Mission Cyrus 2
 

最後に上で書いた英国製アンプを紹介しておきます。
Mission Cyrus 1(最初に買った方。現在サブスピーカー用)
Mission Cyrus 2(次に買った方。現在メインに使用)

Cyrus 2 の方が出力があり元気なサウンドで好きですが、どちらもとにかく不器用で粘っこく魅力的な音が最高に好きです。
非常に音楽的な鳴りがするから、聴いてて飽きないし楽しいのです。

値段やスペック等、上を見ればきりがない世界でしょう。
ですが、音の好みや感触がそれと比例するかはまた別の話かなと思います。

May 17 2018

~斉藤リコメン楽曲~

Massive Attackの98年作『Mezzanine』収録曲“Teardrop”
 
The Verveの97年作『Urban Hymns』収録曲“Bitter Sweet Symphony”

 


斉藤祐樹

2018年にデビュー15周年を迎えた、髭のギタリストとして活動中。髭の宮川と別ユニットelephantでもじんわり活動。ハンドタオルに愛着を持っている。

 


Live Information

〈髭と夜の本気ダンスがやります。〉
2018/06/1(金)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
2018/06/2(土)大阪・Banana Hall
2018/06/7(木)東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO

〈HiGENOHi〉
2018/8/8(水)東京・WWW X
共演:the pillows

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