とろけるようなまどろみへと誘うジェントルなヴォーカル、その佇まいの変わらなさにただ唖然とするばかり。〈キング・オブAOR〉の7年ぶりとなる新作に広がるのは、彼にしか描き得ない幻想的な画風のポップソング。アンニュイな節回しで紡がれるボサノヴァの爛熟したムード、メロウなジャジー・バラードが漂わせる魅惑の異国情緒など、艶やかな彩りに溢れている。夢とうつつが交錯する風流綺譚。完璧だ。