5作目『Onion』を発表したばかりのオークランドに住むガレージ・ロック・バンド、シャノン&ザ・クラムスの紅一点がダン・オーバック主宰のイージー・アイからソロ・デビュー。表題からふと連想したのは、ダスティ・スプリングフィールドの69年作『Dusty In Memphis』だ。その名作に心酔するリスナーならきっと即座に反応してしまうに違いない、妖艶なムードが立ち込めたソウルフルなポップ盤となっている。映画〈007〉の主題歌に推薦したくなる劇的なミディアムや60sガール・ポップ調の寂寥感溢れる失恋ソング、レイジーなカントリー・バラードなどヴィンテージな風合いのサウンドが満載で、凄みと余裕を醸すシャノン嬢の堂々たる歌唱に惚れ惚れ。マジで名曲揃い。