この夏に何の予定もない方にこそレコメンドしたい、カット・コピーのベーシストが放つ初のソロ・アルバム。本隊譲りのエレポップを基調としつつ、中期ビーチ・ボーイズ(というかクリス・レインボウ)ばりのドリーミーなハーモニーや、AORっぽい煌びやかなグルーヴ、軽やかなレゲエ・テイストなどをふんだんに盛り込んでいるのがミソ。また、高橋幸宏への尊敬の念をイタロ・ディスコ調のサウンドで表現した先行カット“Sunshine Baby”などからは、トレンドと趣味性の巧みなバランス感覚も窺わせる。もっとも、屈託のないマイルドなヘタウマ歌唱は計算高さを微塵も匂わせないので、あとはもうそこかしこで漂うサマー・ヴァイブに身も心も委ねていれば万事OKなのである。