自らポストモダンジャズを謳い、ジャズ真っ向勝負のカルテットWalking Distanceの最新作。ピアノレスの前作『Neighborfood』は、オーネット・コールマンのカルテットをアップデイトしたような印象もしなくはないけれど、アンサブルの美しさは北欧のバンドを彷彿とさせた。今回はチャーリー・パーカーの音楽に取り組んだ意欲作。ジェイソン・モランをゲストに招いて、イディオムとしてのパーカーではなく、パラダイムとして彼の音楽をシフトさせる。どれも演奏はすばらしく、特に二曲目のモランのソロは、プーさんとセシル・テイラーのアプローチをマッシュアップしたかのよう。