〈Karaoke kalk〉や〈morr〉といったドイツのエレクトロニカを代表するレーベルが革新的な作品を次々とリリースしていたゼロ年代前後。日本からもエレクトロニカの名盤が数々生まれたが、中でも2003年にリリースされた本作はアーティストネーム、アートワークも相まって当時衝撃を持ってリスナーに届けられた。遂に今回15年振りにテイラー・デュプリーによるリマスタリング再発される事となった。古いジャズのサンプリングと緻密な電子音響、美しいメロディなどが奇跡的バランスで同居した、実験的ながらとてつもなく心地よい普遍的な存在感を湛えたアルバム。