みずからの性格を「世界一ポジティヴ!」と宣言する、とびきりの元気印。沖縄県名護市で育ち、中学生で歌手をめざし、2014年のオーディション番組「X FACTOR OKINAWA JAPAN」でTOP6に入る活躍を見せたヴォーカリストが、満を持してメジャー・デビューする。一聴して驚くのは、とんでもない声量、ハスキーで押しの強い声質、ロックもR&BもEDMも歌いこなせるジャンルを選ばない表現力、そして作詞/作曲のタレント。いくつもの可能性を秘めたラフ・ダイヤモンド、大城美友の登場だ。
「〈X FACTOR〉では知らない自分にも出会ったし、すごく成長しました。もともと勝負が好きなタイプなので、〈これは戦いだ!〉と思って、燃えたぎってましたね。でも、優勝したいがために出てたから、TOP6で終わったのはすごく悔しかった! 泣き叫びましたもん。〈優勝できなかったらやめます〉とも言ってたんだけど、ファンの方が応援してくれたし、自分でも次に向かいたくなったから、続けることに決めました」。
歌も作詞も作曲も、すべて自己流。有り余る元気と思春期の屈折のせいで、中学時代は不登校の時期もあったというが、音楽だけはずっとそばから離れなかったという。
「学校に行けなくなって、家にいながらも歌は歌ってた。高校1年生の時に初めて曲を作って、そこで本格的にめざそうと思いました。〈誰みたいになりたい〉というのはなかったけど、大きい舞台で歌ってる想像は常にありましたね。日本武道館とか、大きいフェスで歌ってる自分のことを」。
中学生の頃からのフェイヴァリットは、加藤ミリヤ、清水翔太、絢香など。ほかに高橋真梨子、玉置浩二、CHAGE & ASKAらがお気に入りというから、流行に流されず歌と向き合うタイプだろう。サウンドのヴァラエティーもさることながら、ノンフィクションの言葉を届けることにこだわる姿勢は、メジャー・デビュー作となるファースト・ミニ・アルバム『MI-POSITION』を聴けばハッキリわかる。
「アルバムは、〈これが大城美友です!〉という感じ。“飛べ! ヘイ!”は落ち込んでる時に書いた曲で、自分にも言い聞かせつつ、でももう強くなって乗り越えられたから、いま引きこもってる子とかに届いてほしい。“一帆風順”は〈勝利を掴むんだ!〉っていう曲だから、勝負ごとの前に聴いてほしいですね。“ニャン・ドン・ゴン”は、怒ってる時に20分で作った曲だけど、結局ハッピーな曲になりましたね。どの曲にも〈マイナスをプラスに変えよう!〉という思いが入ってると思います」。
それだけじゃない。悲しみに暮れる失恋ソング“声が枯れるまで”や、挫折や痛みも静かに受け止める“この空”など、弱い一面をさらけ出すことも厭わない。「上がり下がりが極端なんです」という、自分らしさをストレートに打ち出すのが大城美友の生き方だ。
「私は恋愛以外のことでは世界一元気な女なんですけど、恋愛になると世界一ドロドロ女になるんです(笑)。“声が枯れるまで”は17か18の頃に書いた曲で、どん底の気持ちを歌ってます。“この空”は、何もかもうまくいかなくて、〈音楽やめてやる!〉と思った時に、海に行って、〈こんなに泣きそうなのに空は晴れてるんだな〉と思って作った曲。すごく強いのに、すごく弱いんですよ。それが大城美友って感じです」。
美友(みゆ)の〈MI〉と、位置を意味する〈POSITION〉で『MI-POSITION』。私はいまここにいる、という強い意思を持って、彼女はスタートラインに立つ。リード曲“オレンジバタフライ”で歌われる、〈私の夢は始まったの〉という力強いフレーズと共に。
「もし悩んでいる人がいたら、真っ先に、迷わず〈美友に会いに行きたい〉って、そう言ってもらえるアーティストになることが夢です。美友が作る曲には本当にいろんな美友が出てくるし、自分でもよくわからないんですけど、だからこそ私は不器用に羽をばたつかせながら、羽ばたきたいと思います」。
大城美友
93年生まれ、沖縄出身のシンガー・ソングライター。高校1年生の時から本格的に作詞/作曲を開始し、地元のほか、県外のイヴェントでもパフォーマンスを経験。2014年にオーディション番組「X FACTOR OKINAWA JAPAN」にエントリーし、総数2,000組の中からTOP6まで勝ち残って脚光を浴びる。2015年にはSPICY CHOCOLATEの“I LOVE YOU”にフィーチャーされ、配信サイトのレゲエ・チャートでTOP10入りを記録。今年に入ってメジャー・デビューを発表、SPICY CHOCOLATE & THE MONSTER CREWの“Shall We Dance!?”にも客演して着実に存在感を示すなか、10月10日にファースト・ミニ・アルバム『MI-POSITION』(CROWN VenuS)をリリースする。