ウェルカム・トゥ・ザ・MI-JUNGLE!――パワフルで天真爛漫な実力派シンガー、内にある弱さもヤンチャな過去もとことんさらけ出した初のフル・アルバムを完成!
ドロドロの恋愛もヤンチャな過去も、何でもぶっちゃける本音トークが最高なんだが、そのまま文字でお届けできないのが残念。天真爛漫で超フレンドリーなキャラクターと、ロック・ヴォーカリストとしてズバ抜けた歌唱力を持つ、沖縄のスーパー元気娘・大城美友。初のフル・アルバム『MI-JUNGLE』のテーマは、隠しごとなしで心の内をさらけ出す〈とことん大城〉だ。
「すごい自信作です! 今年で26歳になったんですけど、いままで見せなかった大城美友を存分に出しました。パンチの効いた恋愛ソング、日々をがんばる方への応援ソング、家族の大切さを歌う歌、親友に向けた歌とか、いろいろ入ってます。皆さんにとことん大城を感じてもらえるんじゃないかと思ってます」。
注目ポイントは、親しみやすい懐かしさを湛えたポップでロックなサウンド。岸谷香プロデュースの“不器用なエンジェル”は、ズバリPRINCESS PRINCESSを彷彿とさせるキャッチーなナンバーで、永井真理子“ミラクルガール”のカヴァーも、伸びやかでパワフルな歌声との相性がぴったりだ。
「親の影響でPRINCESS PRINCESSを聴いて育ってきたので、すごく嬉しい。私が書いた恋愛の歌詞を香さんに送って、それが本当に悲しい感じだったから、香さんがポジティヴな方向に書き直してくれました。90年代の音楽が大好きで、私のライヴにはその世代の方も多いから、めちゃくちゃ盛り上がる曲です。“ミラクルガール”はお母さんがカラオケで歌ってて知りました。大城美友のエッセンスをたくさん入れて、新しい“ミラクルガール”を若い子にも知ってもらって、当時を知っている世代の方にも楽しんでいただきたいという思いを込めてカヴァーしてます」。
自作曲は、応援ソングと恋愛ソングがほぼ半々。“オレンジバタフライ”“空に咲かせてやる”など、挫折と悲しみを背負って全力疾走する痛快なロック・チューンは、ティーンのハートのド真ん中を打ち抜くはず。一方、恋愛ソングのテーマは失恋100%で、恨んだり感謝したり飲んだくれたり愚痴をこぼしたり、26歳にしてオヤジ世代にもグッとくるブルージーな歌を聴かせてくれるのだから、やはりこの娘はタダ者じゃない。
「私のなかで特に魂を込めた歌が“ロックん女”です。大城は悲しい恋愛が多かったけど、友達の話を聞いてもドラマを見ても、結局〈恋愛の形は何でもあり〉と思えたので、それを歌ってます。不倫をしている女性という体で歌ってるので、不倫ドラマに使ってほしい。“ラムネ”は、2人がぶつかり合ってるピークの時の歌。でも、完全にサヨナラではなくて、まだ気持ちが残ってるからラムネになっちゃう。ラムネって口の中ですぐに溶けるけど、甘さが残るでしょ? 結局、私って男の人に心を鷲掴みされちゃうタイプです。自分でほどけない。時間がかかっちゃう」。
しんどい恋愛をしてきた親友を励ます“君に涙が似合わない”も、困難に立ち向かう弟のことを歌い込んだ“歌おうララララ”も、つまるところ大城美友の歌の登場人物はすべてがリアル。ダメな自分からの脱出を誓う“輝き人”など、自分に向ける切っ先も容赦ない。だからこそ歌に力が宿る。
「いまはほとんど飲んでないけど、お酒に溺れた時期があって、“輝き人”は飲んでたときに書いた曲。過去にいろんな人に迷惑をかけてきたことを思い出して、自分って本当にダメだなと思って、〈輝き人になりたい!〉という思いで書きました。ヤンチャしてきた過去を隠したい気持ちがずっとあったけど、それを歌にしないと意味がないと思うし、これからどんどん出てくると思います」。
シリアスな話もあっけらかんと乗り越える笑顔がいい。とことん生き様をさらすタイプの天然ロック・シンガー、大城美友の本領発揮はここからだ。
「美友のファンって、10代から50代までいるんですけど、このアルバムの曲はたぶん皆さんに当てはまると思う。大城美友の曲を聴くときって、落ち込んでたり、寂しかったり、元気が欲しかったりするときだと思うけど、偶然街で流れて、それを耳にした人に〈この子、イイな〉と思ってもらえるのがベストだと思う。〈聴いてください〉と言って聴いてもらって、〈あー、いいですね〉じゃなくて、ふと耳に入ったときにすごく心に響くような、エネルギーのある存在でありたいです」。