急転直下のストーリーをドラマティックに駆け上がってきた5人はもう次なるフェイズへ――改めて『NOT IDOL』を宣言したニュー・アルバムは各々の潜在能力を色鮮やかに証明する!

 〈大型新人〉のプー・ルイが加入、気持ちも新たに5人組として動きはじめたBILLIE IDLE®。諸々の経緯やグループの歴史は前回のインタヴュー(2018年7月号)をご覧いただくとして……7月の再録ベスト『BILLIed IDLE 2.0』から4か月、5人で初めてのオリジナル・アルバム『NOT IDOL』を早くも仕上げてきました。

BILLIE IDLE® NOT IDOL オツモレコード(2018)

 

自信になった

――〈2.0〉が出てからツアーやイヴェント出演が続きましたが、新体制で全国を回ってきていかがですか?

プー・ルイ「いままでいろんな形態で回ってきたんですけど、人生でいちばん楽しいツアーでした。いろんな意味で(笑)」

ファーストサマーウイカ「アハハハ」

モモセモモ「やったー」

ヒラノノゾミ「いろんな意味で(笑)?」

プー「まあ、いままで過酷なことしかしてこなかったから(笑)」

――平和で何よりです。各地で思い出などはできましたか?

プー「福岡が楽しかった。お客さんいっぱい来てくれたし、ノリが良かったです」

ウイカ「福岡にはトラウマがあって、バンド時代のプー・ルイも一緒に回った〈ANARCHY TOUR〉の時はたくさん人が来てくれたけど、その後の〈bi bi bi bi bi〉ツアーではもうガラガラだったんですよ(笑)。だから大好きな場所だけれども、ツアーから外れちゃったりすることもあったのが、今回5人になって久々に行ったら、同じ会場がもうギュウギュウに埋まってて。雪辱を晴らしつつ、楽しい思い出で塗り替えることができたんで良かったですね。あと、苦戦してた大阪も、すぐに良いラインまで行けるようになってきたんで」

――全体的にいい状況が実感できてると。

ウイカ「確実にそうですね。だから、次の〈NOT IDOL TOUR〉はちょっと大きく出て、8か所9公演で。今回はNIGO®さんの地元の群馬があったり、いつも最初にソールドする名古屋はキャパが大きくなってたり」

プー「攻めの姿勢です」

――あと、ツアー以降もいろんな場でパフォーマンスされてきましたね。

プー「9月が多かったです。登坂広臣さんのワンマンでフロントアクトをやらせてもらったり、長野の〈りんご音楽祭〉もあって」

ウイカ「長野はモモセ姉妹の凱旋だったから、各地からファンのみんなが集まってくれて。みんなの愛情も感じたよね?」

アキラ「ホントに感じました。もう想像以上にたくさんの方が来てくださってて。みんなリンゴを振ってくれたり、“時の旅人”の手を挙げるところでリンゴを挙げてくれてたりとかして、〈ああ、長野だな〉って」

モモセ「今度はワンマンでちゃんと帰ってこれればいいね」

ウイカ「そうだね。あと、登坂さんのはやっぱりBILLIE IDLE®史上最大キャパの会場(仙台セキスイハイムスーパーアリーナ)で、アウェイ中のアウェイというか、もはやアウェイですらないっていうか。でもそこに乗り込んできてくれたうちらのファンと登坂さんのファンの方に交流が生まれて、次の日のリリイベに一緒に来てくれたり、単純に〈BILLIE IDLE®知らなかったけど、気になって聴いてる〉とか〈CD買っちゃった〉みたいな感想もたくさん見ました。〈何じゃコイツら?〉って言われるのも覚悟してましたけど、〈曲いいね〉〈カッコ良かった〉、何なら〈可愛い〉って言ってくれる人もいる、みたいな(笑)」

ノゾミ「〈可愛い〉って言われ慣れてないから、むちゃくちゃ動揺しました(笑)」

ウイカ「BILLIE IDLE®って外れ者みたいなイメージだったけど、そういう場所で戦いに行っても良いと思ってくれる人がいるんだっていうのは自信になりましたね」

プー「うん、あんな大きい会場でやれたのは良い経験だったし、めっちゃ学べましたね。だってね、行くからね、あそこに」

ウイカ「そう、いつか自分らで立つからね」