テオ・アンゲロプロス監督映画の音楽でも高名なギリシャの女性作曲家、エレニ・カラインドルーの最新スタジオ・アルバム。現代音楽の枠にありながら東欧の民族音楽を元としており、特に聴きやすく哀愁漂うメロディーラインは聴き惚れる事請け合い。今回もギリシャの〈闇〉を切り取ったような影の強い音と、静寂とのコントラストがインパクトを残してゆく。民族音楽好きにも一度は耳にしてほしい作品。