バッハの作品は特定の楽器のために書かれているようでも、部分によっては別のスタイルを想定しているのではないか、というフシがあり、ゴルドベルク変奏曲もクラシックの枠を超えて様々なアーティストたちによって編曲・演奏されてきた。ピリオド・モダン楽器を縦横無尽に駆使してアイディア満載の演奏を聴かせてくれる、音楽三昧の編曲版が録音CDとして10年ぶりのリリース。過去、展覧会の絵やショスタコーヴィチの交響曲まで手掛けてきたが、バッハによる音の見事な配列に5人で挑む広がりと創意工夫は昔と変わっていない。ライナーに編曲者による創意の秘密が書かれているのも必読。