UKロックの〈王道〉が見失われて久しい2010年代後半にあって、自分たちの信じる王道を果敢に切り拓いてきたCATBは、この待望の3作目においてもブレることなく真っ直ぐ前を見据えている。極力ギミックを排除し、ギター・バンドの基本形で勝負したライヴ・レコーディングの熱気は過去2作と同様だ。ただし、アルバムの要所でその熱気を広大なスペースに放出していくような抜けの良さは、彼らが本作で新たに獲得したものであり、U2からキラーズまで名だたるスタジアム級のバンドを手掛けてきた空間設計の名手、ジャックナイフ・リーの手腕によるところも少なくないだろう。今夏には初の〈サマソニ〉出演も決定しているCATB、ひと回りもふた回りも大きくなった勇姿を期待して待ちたい。