自身のキャリアの中で、常に〈挑戦〉という姿勢を持ち続けるサックスマン、川嶋哲郎。本作は直近の自身のリーダー作で〈組曲〉にこだわり続ける中、ジャズのコンボ編成を通り越して、木管ジャズ・オーケストラという風景の中に身を置いた意欲作。全曲が自作・編曲。アンサンブルが描き出す、色彩に満ちたサウンド、そこに川嶋のサックスの詩的で情緒あふれるトーン、そして田窪寛之の澄みわたるアコースティック・ピアノ、松岡“matzz”高廣の躍動美をもたらすパーカッションがフィーチャーされ、4曲構成の組曲“Suite - THAW-”では生命力みなぎる壮大な音楽を展開している。