戸張大輔の99年作『ギター』が、8月31日(土)に12インチLPとしてリリースされる。
戸張大輔は、アシッド・フォーク的な独自の音楽性でカルト的な評価を得ている孤高の音楽家。自主制作のカセットテープ作品『ファンタジー』が雑誌「remix」でEYE(BOREDOMS)によって95年のベスト・アルバムに選ばれるなど、一部で評判を呼んだ。
その後、99年には既発のカセット音源と新録曲を収めた22曲入りCDアルバム『ギター』を発表。その評判は口コミのみで広まり、ロング・ヒットとなる。その独特でドリーミーな音楽性から、戸張は〈音に、音楽に選ばれた男〉などと評された。
また、94年に来日した米サンフランシスコのエクスペリメンタル・バンド、キャロライナ・レインボーのメンバーが戸張の音源を持ち帰り、2000年に『夢の涯てまで(Till The End Of The Dream)』として販売。それにより世界的な支持も集めた。
2007年には中納良恵(EGO-WRAPPIN')がソロ・アルバム『ソレイユ』で『ギター』収録曲の“無題4”をカヴァー。さらに、『ギター』から10年が経った2009年には突如復活を遂げ、完全新作となるセカンド・アルバム『ドラム』を発表した。
90年代当時も関西スカム・シーンから距離を置き、その音楽性やほとんどライヴを行わない姿勢などから神秘的なイメージすら持たれている戸張。しかし、2016年には『ギター』が新装盤で再発、『ドラム』がリプレスされるなど、その唯一無二の音楽は折に触れて聴き返されている。
そんな彼のファースト・アルバム『ギター』が20年の時を経て、数量限定生産盤の12インチLPとして8月31日(土)にリリース。このLPは、2019年にレコーディングされた新曲(!)と2009年に行われたライヴ音源を収録した7インチ・シングルがセットとなる。カルト名盤のLP化、という以上の意味を持つこのアイテム、見逃す手はないだろう。