本人が〈ソウル・アルバム〉と称する3年半ぶりの新作。総指揮は今回もエリートで、前作に続いてジャーメイン・デュプリ&ブライアン・マイケル・コックスやカーディアクらとも組みつつ、気怠げでありながら張りのある歌声でエレガンスと官能を放っていく。90s R&B経由でソウルやドゥワップのネタ感を纏い、地元意識を打ち出した“Mobbin In DC“などではシオ・クローカーのトランペットでジャズの成分を滲ませ、ブジュ・バントンを迎えたレゲエ調も飛び出す。が、装飾過多にならず自身の歌世界を追求する一途さが作品を気高いものにしている。R&Bシンガーとしての矜持を感じる快作だ。
アリ・レノックス(Ari Lennox)『Vacancy』気怠げだがエレガンスと官能を放つ声でR&B歌手として矜持を感じさせるソウルアルバム