インタビュー

EARL KLUGH 『Hand Picked』

〈エヴァー・グリーン〉を体現する笑顔のギタリスト

写真提供/COTTON CLUB   撮影/米田泰久

 

 1年と少し前、ほとんどギター一本で挑んだアルバム『ハンド・ピックド』をリリースしたアール・クルー。「日本に来たのは、覚えているだけで30回を超えてるだろうね」と語るその笑顔は、若い頃から変わらない。思わずエヴァー・グリーンという表現が頭をよぎり「若いですねぇ」と言えば「ちゃんと歳はとってるんだよ。髪の毛ないしね(笑)」とまたもニコニコ。

 変わらないと言えば、彼はデビューからずっとアコースティックによる表現というスタイルを崩していない。頑なともいえるその姿勢について聞いてみた。

 「やっぱり自分にはナイロン弦が一番しっくり来ると思っている。いわゆるエレキギターはピックアップで音を拾う訳だけど、自分の指先と音の間にエレクトリックが介在するわけだよね。そこに僕は立ち入ることができないので、ちょっと感覚が違ってしまうんだ。もちろんいろいろなギターを聴くのは大好きだし、プレイヤー達に友達も多いけどね」

EARL KLUGH Hand Picked Telarc/ユニバーサル(2013)

 『ハンド・ピックド』はその集大成ともいえるアルバムだが、3人だけそこにゲストが参加している。それぞれについてよく考えるとカントリー・ギター、ウクレレ、そしてコンテンポラリーなギターの遣い手だ。どうしてこの三人だったのか。

 「気づいてくれてありがとう(笑)。いままでやったことがないことをしたかったんだ。ジェイクとは何年か前に知り合って仲良くなったんだけど、お互いにそれぞれの楽器への興味が高かった、お互いにリスペクトできる存在さ。それにジェイクの楽器に対するアプローチは僕と全く同じなんだ。ビンス・ギルも出会ったのは数年前だね。デュオをお願いするときはドキドキしたけれど、すごくいい結果が生まれたと思っている。そしてビル。彼はとても折衷主義的なミュージシャンで、色々なスタイルに興味を持つんだ。その姿勢は素晴らしいね。彼と一緒に演奏すると、すごくフレッシュな気持ちにれるんだ」

 そして今回は大阪で開催されたインターナショナル・ジャズ・ディにも参加したアール。冒頭にも書いたように度々の来日を重ねるだけに、日本のジャズ・シーンやアーティストとの触れあいも多い。

 「日本には来る度に2週間近く滞在するんだけど、こっちのプレイヤーとの交流はいつも楽しみにしている。今回は学生相手にワークショップがあったんだ。すごく意欲のある学生達で、とてもエキサイティングだったよ。今回、一番の収穫だったんじゃないかな」

 今回のライヴでもアールらしいサウンドとセンスに満ちた演奏を聴かせてくれたアール。こちらの笑顔も引き出す、そんなプレイに感謝を贈りたい。

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