生誕120年を迎えた巨匠指揮者ロヴロ・フォン・マタチッチ(1899-1985)のスプラフォン音源のなかで名演と言われながら市場から消えがちだった「英雄」と「神々の黄昏」がSACDハイブリッド盤で復刻されました。「英雄」は中庸のテンポ、端正な造形美が基軸の歯切れのいい音楽作りが決まっています。自ら編んだ「神々の黄昏」の管弦楽組曲は外枠をがっちり固めた上で豪放に動かすマタチッチの持ち味が遺憾なく発揮され、聴き手をドラマの渦にのみこみます。アンチェル治世で好調期のチェコフィルの音色美、アンサンブルの緊密さも聴きものです。フレッシュな質感でしかも耳に優しい素晴らしい復刻音質です。