韓国では自国の伝統音楽とロック/ポップといった現代音楽や演劇とのクロスオーヴァーがかなり盛んに行われており、例えばJambinaiやブラック・ストリング、国楽B-Boyなど数えだしたらきりがなく、またその多くは国外でも高い評価を得ている。このパク・ジハもそのひとりだ。日本でも絶賛された前作とピリやヤングム、センファンといっと伝統楽器を用いている点は同様だがイーノ的アンビエントはここでは時に荒ぶれ激しく歪み、反復という手法よりも主導権を握るのは旋律。そして詩の朗読やフィールド録音も交え今作のテーマである“内面から湧き上がる強力な愛”を映像的に感情豊かに表現している。
パク・ジハ 『Philos』 韓国の伝統楽器でイーノ的アンビエントを作りつつ、ときに激しく荒ぶる
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