都会派の大御所シンガー・ソングライターによる3年ぶりの新作は、キャリア初期の70年代に作っていた自身のデモから曲を選び、現在の技量で録音するというアイデアから生まれたもの。期待を裏切らないバラードからカントリー調まで、素直な歌世界と年輪を重ねた歌唱の取り合わせには得難いものがある。ヨット・ロックという括りも色褪せていくなかにあって、この瑞々しい洗練味はどう呼ばれようと永遠だ。