夜はいろいろな感情が渦巻く。新しい一日への期待を膨らませることもあれば、感傷に浸ってしまうこともあるだろう。トランスマットからのリリースでも知られるヒロシ・ワタナベによるカイト名義の新作はそんな〈夜〉をテーマにしたアルバムだ。作品全体を通して鳴り響くのは、霧のかかった深い時間帯を想起させるエレクトロニック・サウンド。時に美しく、時に激しく、まるで夜の心の移ろいを閉じ込めたような一枚です。