ニルソンの死後間際から存在が囁かれていた遺作が25年の時を経てようやく姿を現した。ここには自虐的なユーモアセンスを駆使して数々の名曲を生んだシンガー・ソングライターの新たな傑作が詰まっている。ノスタルジックなムードを湛えた旋律はいちいち味わい深く、ヴァン・ダイク・パークスら盟友たちの愛情溢れる演奏もウルッとくる。しかしなんでもう少し早く出してくれなかったのさ。恨み言のひとつも言いたくなるよ。