各々の活躍も目覚ましいKan Sano、Yusuke Nakamura(BLU-SWING)、Ippei Sawamura(SANABAGUN.)、Jun Uchino(Mime)という4名から成るバンドのデビュー作。小気味良いギターのカッティングと物憂げなヴォーカルが絡むキャッチーなオープニング“Pentatonic Love”を筆頭に前半には歌モノが並び、後半は“HBC-8”など極上のインストを中心に展開。曲数が7曲というのも心得ている。インディーR&Bやフューチャー・ソウル、あるいはポスト・ダブステップ文脈のビート・ミュージックを今日的な解釈で解像度も鮮やかにアップデートし、ポップスに昇華したサウンドは、〈シティ・ポップ2.0〉とでも形容すべきもの。2020年代の幕開けを高らかに告げる、輝かしい作品の誕生だ。