シェッドの5枚目のアルバムは、テクノとエクスペリメンタルの垣根を越えていく作風でモンキータウン発の前作『The Final Experiment』を踏襲しながら、より洗練された印象だ。だがそれ以上に、今作がオストグート・トンから登場したことの意味は大きい。昨年バーカーの『Utility』でキック・ドラムのないテクノをリリースし、改めてレーベルとしての存在感を放ったテクノの総本山は新たなテクノを切り拓きつつある。