日本で60〜70年代に録音された、所謂〈和ジャズ〉が国内のディガーではなく海外からの旅行客に求められるようになったここ数年。特に福居良の『シーナリー』と山本剛の『ミスティ』の人気が高かったりで、まぁ、この時代の音に愛着を持つものとしては素直に嬉しい。その『シーナリー』を含む再発シリーズ〈NIPPON JAZZ SPIRITS 和ジャズ傑作選〉の中で一際特異な魅力を放つのが本作品。大野雄二、佐藤允彦、鈴木宏昌など超豪華8人の名鍵盤奏者がアナログシンセで織りなす宇宙交響曲集はハービーも真っ青のグルーヴから、独特の音響空間とムードは〈和レアリック〉文脈でもイケる。