CDを聴きながらスコアなどの楽譜をパラパラとページをめくる。譜面の記号を楽器に触れた手が音楽に再生する。音楽のプロットを追うために楽譜を利用する人は多いだろう。そしてページをめくる手を止めてその音符や休符、楽譜1ページに記された記号の意味についてじっくり考えてみようと思う人も少なからずいるだろう。楽譜は作曲家の感情や思想を映す鏡、鏡に映る演奏家の解釈は果たして寸分違わず作曲家の意志と一致しているのだろうか。この本は20世紀の作曲家がどのようにして最終稿に至ったのかを研究者と共に紐解き、作曲家がどのようにアイデアを楽譜に落としていったかを教えてくれる。