ジョナス・ブルー × リアム・ペインの“Polaroid”で脚光を浴び、チェインスモーカーズ × イレニアムの“Takeaway”でさらに名を広めたカナダ出身の20歳だが、単なる大型新人……ではない。メジャーで初EP『Love, Me』を出したのは2018年だが、同年に終了したTVドラマ「ナッシュビル」に2012年から出演していたというから芸歴は相当なもの。ドラマ連動で実妹と音楽活動を行うなど、すでに立派なキャリアの持ち主なのだ。この初作はマレイを軸にジョエル・リトルらが制作を担い、儚く優しいウィスパー歌唱と浮遊感を湛えた意匠がソフトに溶け合う。その感触は今風の曖昧さでもあり、“Save Us”にて“I Love You Always Forever”を引用したドナ・ルイスあたりを想起させるオーセンティックな柔和さでもあり。期待の逸材。